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付加価値とは“ニーズを超えること”ではない。

Written by : yohta

Date : 2025.08.28

バイクと傘を刺して座っている人の画像

ビジネスの現場ではよく「付加価値を高めましょう」という言葉が使われます。サービス業界やWeb制作の世界では、経営者や担当者が「他社との差別化をするために付加価値をつけなければ」と口にすることが少なくありません。

しかし、付加価値という言葉はしばしば誤解されて使われています。多くの場合、「顧客のニーズを超えるサービスを提供すること」が付加価値だと捉えられているのです。サプライズのように想定以上の何かを提供することが「付加価値」と考えられてきました。

果たしてそれは本当に正しいのでしょうか。私たちはそうは思いません。むしろ「ニーズを超えるサービス」は無駄になることも多いのです。なぜなら顧客はそれを期待していないからです。

私たちが考える付加価値とは、「顧客のニーズに確実に応えること」、そして「顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを見つけ出し応えること」の2つを合わせたものです。

付加価値とは「見えているニーズ+見えていないニーズ」である

一般的には「ニーズを超えること」が付加価値とされていますが、私たちはそうではないと考えます。

顧客が望んでいるのは、派手な驚きではなく「期待通りの確実な成果」です。例えば「ホームページをリニューアルしたい」と依頼された場合、顧客が期待するのは「見やすくなった」「スマホで使いやすくなった」「安心して情報が更新できる」といった点です。そこにまず確実に応えることが、付加価値の出発点です。

では、それだけで十分なのかというと、そうではありません。顧客が口にする要望(=見えているニーズ)だけを満たすと、確かに「期待通り」にはなりますが、それ以上の信頼関係には発展しません。

本当の付加価値は、顧客自身もまだ気づいていないニーズ――つまり潜在しているニーズを見つけ出し、それに応えることで生まれます。

付加価値を理解するには、価値を「見えている部分」と「見えていない部分」に分けて考える必要があります。

顕在ニーズ(見えいてる部分)
顧客がはっきりと言葉にして伝えてくれる要望です。例えば「デザインをきれいにしたい」「スマホ対応がしたい」といった部分です。

潜在ニーズ(見えいてない部分)
顧客自身も気づいていない、あるいは言葉にできないけれど本当は必要としている部分です。例えば「問い合わせフォームが複雑でユーザーが途中で離脱している」「社内で簡単に更新できる仕組みがない」「SEOの基本設定が弱く検索からの流入が見込めない」といった課題です。

この潜在価値は、顧客から直接ヒアリングするだけでは浮かび上がってきません。制作側が現場に足を運び、顧客と対話し、実際の業務や顧客との接点を観察することで見えてきます。

潜在ニーズを見つける方法は“現場と会話”

私たちが強く信じているのは、潜在ニーズを見つけるには現場と会話が不可欠だということです。

メールや電話のやり取りだけでは、顧客が抱える本質的な課題は見えてきません。顧客自身も気づいていないことを、形式的な質問に答えるだけで言語化できるはずがないからです。

だからこそ、私たちはできる限りお客様に会い、現場を訪れ、会話を重ねることを大切にしています。会話を通じて「本当はこうしたかった」「ここが不便で困っていた」という声が自然に出てきます。現場を見ることで、業務の流れやお客様の行動が理解できます。

そこに潜在的なニーズが潜んでいるのです。そして、そのニーズを形にすることこそが、提供すべき付加価値だと考えています。

Web制作における付加価値の具体例

例えば「デザインをきれいにしたい」という依頼があったとします。これは見えている価値です。もちろんそれに応えることは当然必要です。

しかし、現場で話を聞いてみると「せっかく問い合わせが来ても、フォームの入力が複雑で最後まで送信してくれる人が少ない」という課題が明らかになることがあります。これは潜在的価値です。

単にデザインを整えるだけではなく、フォームを改善して入力を簡単にすることで、実際に問い合わせ数が増える。ここに本当の付加価値が生まれるのです。

また「情報を更新したい」という見えている要望に対して、「誰でも簡単に更新できるCMSを導入する」ことも潜在的価値への対応です。顧客は「更新が難しいから結局放置してしまう」という本当の課題に気づいていないこともあります。その部分に応えることで、結果的にサイトが継続的に活用され、成果につながります。

amo studioの姿勢

大規模な制作会社のように華やかなリソースを持っているわけではありません。けれども、その規模だからこそできる付加価値があると信じています。

私たちは「顧客の期待を超える派手な驚き」ではなく、「期待通りを確実に実現すること」を大切にしています。さらに、そのうえで「潜在的な価値を見抜くこと」に力を注いでいます。

そのために、私たちはお客様に会い、現場に足を運び、会話を重ねることを欠かしません。ヒアリングシートに書かれた要望だけではなく、その奥に隠れた本当の課題を探り出し、一緒に解決策を考えていく。

小さなチームだからこそ、一社一社に丁寧に向き合い、その企業に合わせた伴走型の支援が可能です。私たちが提供する付加価値は、そうしたプロセスの中で生まれると考えています。

付加価値は“顕在ニーズ+潜在ニーズ”

付加価値とは「顧客のニーズを超えること」ではありません。

私たちが定義する付加価値は、

・顧客のニーズ通りに確実に応えること
・顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを見つけ出し応えること

この2つを合わせたものです。

そして、潜在的なニーズを見つけ出すために最も大切なのは、顧客に会い、現場に足を運び、会話を重ねることです。そこからこそ本当のニーズが発見でき、それに応えることで「選ばれる理由=付加価値」が生まれます。

私たちは、これからもその姿勢を大切にし、お客様と共に「付加価値」を育てていきたいと考えています。

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