ひときわ明るい出会いから
彼女との出会いは、amo studioメンバーの osamu からの紹介でした。
初めてお会いした日のことを今でも鮮明に覚えています。
最初の印象は「とても明るく元気」。
周囲を一瞬であたたかく照らすような存在感に、私はまるで太陽のような女性だと感じました。
エネルギーに満ちあふれた笑顔と朗らかな話しぶりは、
初対面の私たちの緊張をやわらげ、自然に心を開かせてくれました。
その後の会話の中で、私たちには意外なご縁があることが分かります。
実は、彼女の兄とosamuは生前から知り合いでした。
そんな不思議な縁に驚きながらも、これから始まる制作が一層特別なものに感じられました。
お話を重ねるうちに、
彼女がこれまで歩んできた人生についても少しずつ知ることができました。
そこには、ご家族が乗り越えてきた大きな試練も含まれていました――。
彼女の物語 ― 逆境を越えて
彼女には3人のお子さんがいます。
しかしある日突然、大切な兄を亡くすという大きな悲しみに見舞われます。
そしてその1年後、今度はご主人までも病気で亡くすという、想像を超える試練が訪れました。
家族を支えていく責任を一人で背負うことになり、
生活のため、自分が本当に望むものとは違う仕事に就き、必死に働く毎日。
その頑張りはやがて体に無理を強い、体調を崩してしまうほどでした。
そのとき、初めて自分の心に深く向き合う時間が訪れたといいます。
「私は何をしたいのか」「何を大切にして生きていきたいのか」。
長い葛藤の末にたどり着いた答えが、子育てを応援する活動でした。
子どもを育てながら働く母親たちが安心して集い、笑顔を取り戻せる場所をつくりたい――。
彼女の歩みはとてもドラマチックで、逆境を力に変えて未来を描き出す姿そのものでした。
それでも本人の語り口はあくまで自然体で、過去の苦しみを誇張することはありません。
「すべては今の自分になるために必要な時間だった」――そんな穏やかな強さを感じました。
依頼のきっかけ ― 「やりたいことを整理したい」
今回、彼女から私たちに寄せられた依頼は
「やりたいことを整理したい」というものでした。
実際、彼女の日々の活動は驚くほど多彩です。
カフェの運営はもちろん、子育て応援のイベント、サロンや教室の開催、
手づくりのお弁当販売やマルシェの企画、各地のイベント出店……。
一つひとつが地域の親子や仲間への大切な思いから生まれたものですが、
どれもが全力ゆえに情報が分散し、伝えたい軸が見えにくくなっていました。
「だからこそ、このタイミングで整理したい」
それが私たちamo studioへの相談理由でした。
単なるホームページづくりではなく、
自分の想いと活動を整理し、未来への道筋を描くための制作だったのです。
打ち合わせを重ねながら感じたこと
打ち合わせはカフェを中心に何度も行いました。
その中でも印象に残っているのは、彼女のカフェでいただいたふわふわチーズつくねです。
運ばれてきた瞬間、まず目を奪われたのは鮮やかな色合いと丁寧な盛り付け。
口に運ぶと名前の通りふわふわで、大葉がほんのり香りながらも優しい味わい。
味噌汁の具材は子どもが食べやすいよう細かく刻まれており、
「子育て応援」の想いが一皿に込められていることを実感しました。
こんなランチが毎日食べられたらどんなに幸せだろう。
もっと多くの人に知ってほしい――自然とそう思わされました。
その場で交わした何気ない会話からも、
彼女が人を否定せず、受け入れ、応援する人格者であることが伝わってきます。
私たちにとっても学ぶことの多い時間でした。
デザインに込めた想い
制作にあたって、私たちが最も大切にしたのは
「彼女の想いをそのまま伝えること」でした。
1. 温かみのある色使い
ベージュや木目調を基調にし、カフェのやさしい空気感をそのまま感じてもらえるデザイン。
2. 写真をたくさん活用
カフェの雰囲気や子育て応援の様子を視覚的に伝え、訪れる前から安心感が持てるように。
3. シンプルでわかりやすい構成
目的の情報にすぐ辿り着ける導線設計。イベント情報やアクセス方法も直感的に探せます。
打ち合わせを重ねる中で、何を大切にしているのか、どんな未来を描いているのかを丁寧にヒアリング。その結果、単に情報を載せるだけのサイトではなく、地域に温かさを広げるメディアとしての役割を持たせることができました。
これから ― 地域に恩返しする人生を
サイトは公開されたばかりで、これからどんな反響があるのかは未知数です。
しかし私たちは、ここからが本当のスタートだと考えています。
彼女自身が語る未来は明確です。
「これまで支えてくれた地域に、これからはもっと恩返しをしたい」。
地域に住む子育て世代が安心して集まり、学び、笑顔を交わす場所をさらに広げていく。
その思いを実現するために、私たちも引き続きサイトの運用・改善をサポートし、
地域の反応を共に見守っていく予定です。
制作者として学んだこと
今回の制作を通して、私自身も大きな学びを得ました。
• 自分の意思で生きる力の尊さ
• 人を否定せず、受け入れ、応援する姿勢の大切さ
• 小さな一歩が地域全体を変える可能性
彼女の生き方は、単なる経営者という枠を超え、
地域の未来を明るく照らす「人の灯り」のようです。
そして私たちamo studioも、人の想いを形にすることで地域を支える存在でありたいと改めて感じました。
地域に勇気を
「地域に勇気を。」
このタイトルに込めた想いは、まさに今回の出会いそのものです。
逆境を越えて自分の使命を見つけ、地域と共に歩む姿。
それは、日々を自動運転のように過ごしてしまいがちな私たちに、
自分の人生を自分で選ぶ大切さを静かに教えてくれます。
このウェブサイトが、彼女の活動をより多くの人に届け、
そして地域の中に新しい勇気の輪を広げていくことを願っています。
私たちもまた、この物語を通じて
「人と人をつなぎ、想いを形にして未来をつくる」という使命を、
あらためて胸に刻むことができました。
地域に勇気を。逆境を越えて歩む女性と共につくったウェブサイト
これからも彼女とともに、地域に小さな光を増やしていきたいと思います。